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​積極的に摂取したい食材

生活習慣改善は「身体にイイ事(プラス)」を増やし、「身体に悪い事(マイナス)」を減らす繰り返しです。

食習慣改善においては、「食べすぎてはいけない」とか「お菓子はよくない」とか、マイナスを減らすことばかりに目がいきがち

ですが、「プラスを増やす」という発想が実は大切ですし、減らすガマンより楽に実践できることが多いのです。

 

「ユニバーサルにイイ食指導」における「プラス」の代表三つ

「腸!イイ食材」「選ぶ良質脂質」「抗酸化力食材」

を順番にご説明しましょう。

01

​腸!イイ食材

「腸!イイ食材」は腸内環境を良くする食材です。

腸内環境改善は単なる便秘や下痢など消化器系の病気の予防だけではなくメタボやガンの予防に直結しています。(※)いわゆる善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす食材としてまず推奨されるのが食物繊維発酵食品です。

食物繊維は野菜、きのこ、海藻など日本人には馴染みの深い食材に多く含まれ摂りやすいはずですが、近年摂取量が減っています。毎日の白米を玄米に変えたり、もち麦や雑穀を混ぜてみたりの工夫がお勧めです。

発酵食品は納豆を付属のタレでなく、黒酢で混ぜるのが私のお薦めです。減塩になりますし、独特のコクが旨味を引き出し、しかも普通に混ぜた時より「フワッフワッ」になり驚きますよ。アカモクやもづくなどのネバネバ海藻を混ぜたり、ヒジキや切り干し大根を混ぜたり、ボリューミーにした「納豆ボール」は糖尿病の方の朝食としても秀逸です。他にも味噌や醤油、漬物など、塩分量が増えないように配慮したり、麹や粕も上手に摂り入れたいところです。

※慶応病院腎臓・内分泌・代謝内科の伊藤裕教授が、ご著書「腸!いい話」(朝日新聞出版)で大変わかりやすく解説しておられます

02

​選ぶ良質脂質

減量=油を抜く という発想の方は案外多いものです。炭水化物、蛋白質、脂質の三大栄養素の中で、最も高カロリーであるのが脂質なので間違ってはいないのですが、完全な油抜きダイエットは肌や髪をパサパサにしたり、便秘にしたりなど、悪循環を起こすことも多くあります。三大栄養素として必要な脂質ですから、減らすことよりも「上手に摂取する」ことを考えましょう。

魚介類の油に代表される「ω3脂肪酸」に分類される良質脂質は、血管を若返らせる抗酸化効果や、血管老化だけではなく、ガンやアレルギーにも関係する「炎症」を鎮める効果があり注目されています。ガマンするどころか、むしろ積極的に摂りたい脂質です。

一方で、古くなって酸化した油は、カロリーが高いだけでなく体の中でも酸化物質として働き動脈硬化の原因となり得ます。油だけは贅沢をして大瓶で買いだめをするのではなく、小瓶を酸化しないうちに使い切るようにしましょう。またω3脂肪酸は熱に弱いので、アマニ油やえごま油は高温調理には向かないことを覚えておきましょう。
ドレッシングとしての利用や、(やや青臭さがあるので)オリーブオイルやバルサミコ酢などと混ぜて使うことをお勧めします。また麺つゆと混ぜて冷ややっこなどにかけるのも美味しいです。抗酸化物質であるビタミンEを多く含むグリーンナッツオイル(インカインチオイル)やカメリナオイルは加熱可能でより使いやすいと思います。

脂質異常症でコレステロールが高いと診断された方が、一生懸命に油の量を少なくするようにガマンしておられることがありますが、食事からのコレステロールの摂取量を減らしても、体内(肝臓)で作られるコレステロールの量が増えるだけで、あまり意味がありません。動物性脂肪の摂りすぎはよくありませんが、アルコールを含む食事量が適量で、運動も睡眠も適正なのにコレステロールが高いと診断される場合は、体質が原因していることがほとんどですので、内服治療について内科医に相談しましょう。
コレステロールが高い方にとっても(だからこそ)良質脂質摂取は不可欠です!

03

​抗酸化力食材

「酸化」はあらゆる病気の発症、予防に関係する大事なキーワードです。

人間にとって酸素は生きていくために不可欠ですが、皮肉なことに酸素を取り込むたびにその一部は高い酸化力(体のサビを起こす力)を持つ「活性酸素」に変化します。身体が年齢とともに老化するのも、活性酸素による(まるで金属のサビの様に)細胞のサビとも言えるのです。活性酸素は絶えず身体の中に作られ、蓄積されると老化だけではなく、動脈硬化を引き起こしたり、がん細胞を増殖させたり、様々な病気の原因となることが分かっています。
身体の中でこの活性酸素の蓄積や働きを阻止する働きを持つのが「抗酸化物質」、この物質の働き、つまり酸化を止めてくれる力のことを「抗酸化力」と呼びます。

身体の中には酵素などの蛋白質、尿酸などの抗酸化物質も備わっていますが、食材として摂れる抗酸化食材もあり、代表的なのがビタミン類やポリフェノールです。
つまり、新鮮採りたてビタミンたっぷり野菜や、良質脂質であるω3脂肪酸、ちょっと嬉しい食材としてはチョコレート(カカオ)や赤ワインのポリフェノールなども積極的に摂りたい食材に入るのです。

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